がんと向き合うプロセスの中で 感じたこと・伝えたいこと

第15回より 「がんと向き合うプロセスの中で 感じたこと・伝えたいこと」

 

わたしは、2012年6月、左わきにしこりを見つけました。
その後乳がんと診断され、左わき、胸のまわりにいくつかの転移が分かりました。
それから、病院での検査、半年の抗がん剤治療、手術を経験してきました。今回皆さんにお話したいことは、手術から1年数ヶ月経った頃の、日々についてです。

 

子どもの夏休みが始まり1週間程で、胸の動悸が始まりました。日を重ねても症状は落ち着かず、緊張感のある日々が続きました。
もう、全てを投げ出したくなりました、何度も。けれど、生きていくには何か、自ら工夫していくしかありません。
そして、家事やウォーキングで身体を動かす中、身体の中からわき出る言葉と出会いました。

 

『確かなものは、この瞬間だけ。一瞬一瞬を少しでも楽しく過ごせれば、その連続で幸せな時間になるのかな。』

 

『すべき、しなければ…と、わたし自身でわたしのこころをしばりつけていないかな。今のわたしの素直な気持ちを、一度、受け入れてみよう。』

 

わたしは、これらの言葉達を日々、自身に向けて話し掛けてきました。少しずつ、こころを解きほぐすように・・・。
その過程において、何かと向き合う時には、いくつも選択肢があっていいんだ、と思う様になりました。お陰様で動悸の症状も、落ち着いてきています。

 

今は、いっぱい寄り道しながら、こころおだやかに、暮らしていきたいと思っています。