がんになったら

●衝撃の中で進むインフォームドコンセント
診察くま  患者ウサギと犬生涯を通じて、国民の二人に一人がかり、今やありふれた病気といわれるがん。けれども、かかった当人にとっては、とても「ありふれた病気」などと思うことはできないものです。
がんと診断されたときの状況を「頭が真っ白になった」と表現する人は少なくありません。そんな衝撃の中で、多くの場合、インフォームドコンセント(説明と同意)が進むのですが「ほとんど耳に入ってこなかった」という声もよく聞きます。

●納得できないまま治療のラインに乗ると
がん治療は目覚しい進化を遂げていますが、2015年にはがん患者が540万人まで増加し、国民の2人に1人ががんで命をおとすという推計もあります。がんはまだまだ「死にいたる病」というイメージの強い病気であり、告知を受け、動揺するのも無理はありません。
大切なことは、自分を見失った状態で治療の話を進めないことです。がんのピアサポートを受ける相談者の中には、一定の治療が終了してから「この治療で本当によかったのだろうか。他にもっとよい方法があったのではないだろうか」と懐疑的な思いにとらわれている方が少なくありません。告知の衝撃に我を失ったまま治療方針や方法について説明を受け、理解・納得に至らないまま治療のラインに乗った結果とも考えられます。
がんの3大療法は「手術」「放射線治療」「化学療法」といわれています。以前は「がん=手術」が常識のように考えられていましたが、いまは手術にもさまざまな方法があり、放射線療法や薬物療法も格段に進歩しました。治療法の選択肢は一つではない場合も多いのです。

●状況と情報を整理する時間が必要
東大病院の放射線科準教授で緩和ケア診療部長でもある中川恵一さんは

と言っています。
どうぞ一度冷静になって状況を整理し、情報を収集して、いまいちど診断医の説明を聞いた上で総合的に判断してください。受けてしまった治療は、やり直すことができません。あなたが、治療法について理解・納得することが治療の第一歩であり、治療後のよりよいQOL(生活の質)のためには最初の治療が何よりも大切なのです。

●相談支援センターなどを気軽に利用して
「医師は信頼すれど、おまかせにはしない」
これは、進行がんと何年も闘ってきた、ある患者の言葉です。医師とよりよい信頼関係を構築するためにも、あなた自身が自分のがんのことについて理解し、医師と話し合いながら、よりよい治療を選択することが大切です。
※最良のがん治療を受けるために ~知っておきたい自分のがんのこと~

hatenaお一人で情報を収集することに困難が状況にあるとき、また知識を持った人に相談して自分の考えを整理したいときなど、いつでもピアサポーターやがん相談支援センターにご相談ください。

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