患者として薬剤師に伝えたいこと

   患者として薬剤師に伝えたいこと 4期ピアサポーター三宅綾子 

今日は主人が処方された薬と、薬剤師の行動についてまとめる。

初めに私と主人のがん歴を紹介する。
私は、95年に乳がんの左乳房全摘、リンパ節に転移があった。その後9年前に肺に再発、7年前には胸骨に再発、2年前に皮膚に再発と、再発を繰り返しているが、現在はホルモン剤とゾメダの点滴でCA-15-3は30代と、落ち着いている。

主人は、2009年10月にB型肝炎による肝がんを発症。2010年1月に腹腔鏡手術を受けた後、3度に渡る再発をくり返し動注塞栓術を行ってきたが、2012年10月に4度目の再発。門脈にさしかかっていたため、肝臓の45%を切除する手術を今月1日に受けた。主人は4年ほど前から、アナログ製剤「バラクルード」を服用している。

今年の夏、以前から患っていた腰痛がひどくなり、主治医がいる病院ではなく、近くの総合病院を受診した。ここでアナログ製剤を服用していること、現在肝がんの治療経過中であることを伝え、痛み止めの薬を処方してもらい、いつも通っている薬局で薬をもらい帰宅した。
私はいつも主人が新しい薬を処方されると、必ずインターネットで「薬の名前」「製薬会社」「効用」「副作用」「注意事項」について調べる。ここで一番気をつけていることは、肝臓に疾患がある主人が服用していても、大丈夫であるかどうかということだ。

ところが、その日処方してもらった薬の注意事項に「肝臓に疾患のある患者さんは、服用前に必ず主治医に相談すること」と記載があり、慌てて薬を処方した病院に連絡した。「本当にこの薬を主人が服用してもいいのでしょうか?出来ればこの薬は服用したくないので、別の薬を処方してください。」と言ったところ「実は先ほど薬局の薬剤師から、同じような連絡がありました。その時はこの薬で大丈夫と返事をしましたが、そうですね・・・やはり別の薬にしましょう。」という思いもかけない返答が返ってきた。主人にも確認をしたところ「薬剤師さんが病院へ問い合わせてくれていた。病院側が大丈夫と言うので薬をもらってきたが、念のために主治医に確認をした方がいいと、薬剤師さんからいわれた」と話していた。

yes or no今回の場合、薬剤師が主人の病歴を把握していたので、薬の注意書きに気がつき、迅速に病院へ確認の連絡をとってくれた。また主人に「主治医に相談する」というアドバイスをしてくれたことに、とても感謝している。出来れば私の希望として薬を処方した医師に、薬剤師が「この薬はこの患者さんには適していません」とはっきり「NO」と言える環境がこの日本で存在すればいいと思っている。

医師と薬剤師。薬剤師と患者。患者と医師。それぞれが信頼しあい、よりよい関係を保っていくこと、これが薬剤師への希望だ。

今回夫はいつもと同じ薬局で薬を処方してもらっていたから、薬剤師に配慮してもらえたが、毎回異なる薬局で薬をもらっていたら、院内処方でもらっていたら、と、色々なことを考えた。

今回お薬手帳についても、大切な役割をはたしていることを実感した。